【床から50センチが私たちの仕事場】
私たちは彼らよりほんの少し手先が器用で、ちょっぴり重たいものが持ち上げられたりします。
いつもより寒い日には寝床を暖かくしたり、夏の日にはお水をかかさず、体温や体重を測ったり、ヒフや耳に何かいないか調べることができます。
ご飯を食べない仔にはササミをゆでて、夜は静かな音楽でリラックスさせたり、顕微鏡でうんちを観察して虫を発見したり、お気に入りのお部屋を清潔にしてあげたりすることができます。
立っていたら見えないものも
、しゃがんでみたら見えますよ。 見ているだけでは気付かぬことも、さわってみれば分かるはず。
彼らのサインは小さく繊細で、欲望はとってもストレート。 私たちが目をそらせば悲しがり、呼べばからだすべてで喜びをかくさず、おならだって我慢しません。 ウソをつくことを知らない彼らとの生活は、そのまま自分たちを見つめる日々。 もっとこうしたら、それよりもっともっとこうしてあげたらどう?
私たちにできることは「手間を惜しまない」ということだけなのかもしれません。
そして仔犬、仔猫が嫁いでいく日。 新しい家族の一員として少々緊張した面持ちで抱かれている仔たちを見ていると、「しっかりね!」という気持ちと、まるでお嫁に出す親の心境みたいに「この仔をよろしくお願いします」という気持ちでいっぱいになります。
今日もまた世界中のあちこちで、ぐっすりと眠るその寝顔や、夢中でおもちゃにじゃれるしぐさ
を見ながら、笑い、微笑み、抱きしめている人たちがいる・・・
床から50センチ。
いままでも、そしてこれからもずっとそこが私たちの仕事場。

アサヒペット
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